胃潰瘍の症状

胃潰瘍の症状

胃潰瘍の症状としては腹痛(上腹部痛)が代表的ではあるが、背部痛、食欲がない、体重減少、吐血(鮮血の場合もあり、コーヒー残渣様の事もある)、下血(大量出血の場合は泥状の黒色便、さらに大量に出血した場合には血性の便)、胸焼け、もたれなど多彩であり、検診の発達した日本では、偶然発見され全く症状のない場合も極めて多い。

 

胃潰瘍の重要な合併症としては、出血と穿孔があり、一刻も早い専門医での治療が必要である。出血した場合には、頻脈、冷汗、血圧低下、気分不快、吐血、下血などの症状が出現する。 穿孔の症状としては、持続性の非常に強い腹痛、圧痛、反跳痛、筋性防御、発熱などがある。

 

食後に腹痛が増悪する場合は胃潰瘍、食前に増悪する場合は十二指腸潰瘍である場合が多い(胃に内容物があれば胃酸は十二指腸まで流れづらく、胃に内容物が無い場合には胃酸は直ぐに十二指腸へ落ちる為)、しかし実際には必ずしもそうであるとは限らない為に注意が必要。同様の症状を生じる疾患として、機能性胃腸症の頻度が最も高く、その他に十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、急性膵炎、慢性膵炎、胆石、胆嚢炎など除外診断すべき疾患は極めて多い。

 

胃潰瘍の症状〜診断

上述のような症状で胃潰瘍(消化性潰瘍)が疑われた場合、直接胃潰瘍を証明するには、通常上部消化管内視鏡検査(俗に胃カメラ)が行われることが多い。内視鏡検査の最大の利点は、出血していれば即治療が可能なことである。

 

もちろん、全身状態の把握や、合併症の有無、除外診断の目的で、血液検査や単純レントゲン写真、腹部超音波検査(エコー検査)などを組み合わせて行う場合もある。

 

バリウム造影レントゲン検査は、穿孔などの合併症がある場合には禁忌であるので、症状が強い場合などには臨床の場で行われることは極めて少ない。検診では使用されることがある。

 

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